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コラム2026年10月6日

【節税④】決算前にできる節税と、やってはいけない節税

「今期は利益が出そうなので、決算前に何かできませんか?」――決算が近づくと、よくいただくご相談です。決算の直前でも打てる対策はありますが、時間がないほど選択肢は少なくなります。この記事では、決算前にできる節税と、やってはいけない節税、そして節税と手元資金のバランスについて整理します。

  • 決算3か月前に「着地見込み」を出す理由
  • 決算前にできる6つの対策と、それぞれの条件
  • やってはいけない節税と、手元資金を守る考え方

01FORECASTまずは決算3か月前に「着地見込み」を出す

節税の第一歩は、今期の利益がいくらになりそうかを早めにつかむことです。

1
利益の見込み

ここまでの実績に、残りの月の売上・経費の予想を足して、今期の利益を見積もります。

2
税金の目安

利益の見込みから、納める税金のおおよその金額を計算できます。

3
打てる手が多い

3か月前なら、多くの対策がまだ間に合います。前提は、月次の帳簿が毎月そろっていることです。

役員報酬は、原則として事業年度の開始から3か月以内にしか変えられません。決算直前の調整には使えないので、ほかの対策で考えます。

02WHAT YOU CAN DO決算前にできる6つの対策

どれも「実態があること」と「ルールどおりに処理すること」が前提です。

未払費用の計上

今期に受けたサービスで、支払いが翌期になるもの(今月分の外注費・水道光熱費など)は、今期の経費にできます。

決算賞与

従業員への決算賞与は、一定の要件を満たせば、支払いが翌期でも今期の経費にできます。

少額資産の購入

本当に必要なパソコンや備品なら、金額によっては購入した年に経費にできます。

共済の活用

経営セーフティ共済の掛金は損金(個人は必要経費)になります。

不良在庫の処分

売れる見込みのない在庫を廃棄すると、その分を経費にできます。

修繕

建物や設備の修理を今期中に終えると、修繕費として経費にできる場合があります。

対策押さえておきたい条件
未払費用今期中にサービスを受け終わり、金額が確定していること
決算賞与期末までに全員へ各人別の支給額を通知し、通知から1か月以内に支払い、今期に経費として計上すること
少額資産10万円未満は一括で経費。中小企業者等は40万円未満(年300万円まで)の特例あり
共済経営セーフティ共済の掛金は月5,000円〜20万円・総額800万円まで。解約手当金は益金(収入)になる
不良在庫廃棄の日付・数量がわかる記録(廃棄証明・写真など)を残すこと
修繕今期中に工事が終わっていること。価値を高める改良は「資本的支出」として資産になる

03DO NOTやってはいけない節税

税金を減らすことだけを目的にすると、かえって会社のお金や信用を失います。

不要な買い物

使う予定のない物を買っても、税金が減るのは支払額の一部だけ。お金は確実に出ていきます。

架空経費

実際にない取引を経費にするのは脱税です。重加算税の対象になり、信用も失います。

期ズレ

今期の売上を翌期に回したり、翌期の経費を今期に入れたりするのは、税務調査でよく指摘されます。

現金が減るだけの対策

「節税になる」と勧められても、結局は手元のお金が減るだけ、という対策も少なくありません。

期ズレは「いずれ翌期に税金がかかる」だけでなく、過少申告加算税や延滞税がかかることもあります。

04CASH FIRST節税と手元資金のバランス

節税で残るお金より、出ていくお金のほうが多くなることがあります。

100万円の経費を使った場合
  • 税金は減るが、減るのは100万円の一部だけ
  • 残りは手元から出ていく
  • 本当に必要な支出なら問題なし
あえて税金を払った場合
  • 税金を払っても、利益の残りは手元に残る
  • 自己資本が厚くなり、決算書の見た目もよい
  • 金融機関の評価・融資にもプラス

赤字や利益が少なすぎる決算書は、融資の審査で不利になることがあります。「税金をゼロにする」より、「必要な支出をして、残りはきちんと納める」ほうが、会社は強くなります。

判断の基準は「その支出がなくても、今期必要だったか」です。迷ったら、まずご相談ください。

05SCHEDULE決算前のスケジュール

3か月前から逆算して動くと、慌てずに対策できます。

3か月前着地見込みを出す月次の帳簿を締め、今期の利益と税金を見積もる
2か月前対策を決める決算賞与・設備投資・共済など、使える対策を検討
1か月前実行する購入・修繕・在庫の廃棄などを期末までに終える
決算月決算賞与の通知期末までに各人へ支給額を通知する
決算後2か月申告・納付事業年度終了の翌日から2か月以内に申告

当事務所では、記帳代行から申告まで一貫して担当し、決算前に着地見込みと対策をご提案しています。

この記事のまとめ
  • 決算3か月前に着地見込みを出すと、打てる対策が多い
  • 未払費用・決算賞与・少額資産・共済・不良在庫の処分・修繕は、条件を守れば決算前でも使える
  • 不要な買い物・架空経費・期ズレは、お金や信用を失うもとになる
  • 税金を減らすことより、手元資金を残すことを優先して考える

Q&AFAQよくあるご質問

Q決算月に入ってからでも、できる対策はありますか?
A

あります。未払費用の計上や不良在庫の処分、決算賞与の通知などは、期末までに間に合えば使えます。ただし選択肢は少なくなるので、早めのご相談がおすすめです。

Q決算賞与は役員にも出せますか?
A

役員への賞与は、事前に届け出た「事前確定届出給与」などでなければ、原則として経費(損金)になりません。決算前の対策としては、従業員への決算賞与が中心になります。

Q経営セーフティ共済は、入れば必ず得になりますか?
A

いいえ。掛金は経費になりますが、解約したときの解約手当金は収入になります。解約する時期を、退職金の支払いや赤字の年に合わせるなどの計画が大切です。

CONTACT数字のことは、まるごとご相談ください。

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※本記事は2026年10月時点の一般的な内容です。個別のご判断は、お気軽にご相談ください。

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