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コラム2026年10月6日

試算表の見方|社長が毎月チェックすべき4つの数字

「毎月、税理士から試算表が届くけれど、正直よく見ていない」――そんな社長は少なくありません。試算表は、会社の今の状態をいちばん早く知ることができる資料です。この記事では、試算表のしくみと、忙しい社長でも毎月これだけは見てほしい「4つの数字」、そして決算前の着地見込みの使い方をご紹介します。

  • 試算表とは何か、決算書との違い
  • 社長が毎月チェックすべき「売上・粗利・固定費・現預金」
  • 前年同月との比べ方と、決算前の着地見込み・節税の考え方

01TRIAL BALANCE試算表とは?

試算表は、帳簿の数字を科目ごとに集計した「途中経過の決算書」です。

決算書
  • 年に1回、決算のときに作る
  • 1年間の成績が確定したもの
  • 税務署・銀行に提出する
試算表
  • 毎月(または四半期ごと)に作る
  • その時点までの途中経過
  • 社長が経営判断に使う

試算表も、決算書と同じく貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)の形で作られます。BSとPLの基本は、コラム03『決算書の読み方』で解説しています。

試算表は「記帳が終わってはじめて」作れます。記帳が遅れると、数字が出るのも遅れ、判断のタイミングを逃してしまいます。

02MONTHLY CHECK月次・四半期で見る

おすすめは、毎月締めて、翌月の中旬までに数字を確認することです。

月末月の締めその月の取引が終わる
翌月上旬記帳明細・領収書を入力
翌月中旬試算表数字を確定させる
翌月中旬社長が確認4つの数字をチェック
四半期ごと振り返り目標との差を確認
毎月見る四半期で見る
向いている会社売上の動きが大きい会社、人を雇っている会社取引が少なく、動きが安定している会社
わかることその月の売上・利益・お金の残り3か月単位の傾向・目標との差
メリット問題に早く気づき、すぐ手を打てる作業の負担が軽い

数字は「早く・だいたい正しく」が大切です。2か月前の正確な数字より、先月のおおよその数字のほうが、経営には役立ちます。

03FOUR NUMBERS毎月チェックすべき4つの数字

試算表の科目はたくさんありますが、まずはこの4つだけで十分です。

1
売上

会社の規模と勢いをあらわす数字。目標や前年と比べて、伸びているかを見ます。

2
粗利(売上総利益)

売上から仕入・外注費などの原価を引いたもの。粗利率(粗利÷売上)もあわせて見ます。

3
固定費

人件費・家賃・リース料など、売上に関係なく毎月かかる費用。じわじわ増えていないかを見ます。

4
現預金

会社に今あるお金。毎月の支払いと借入金の返済に足りるかを確認します。

利益の目安=粗利-固定費

粗利が固定費を上回っていれば、本業は黒字です。粗利が固定費に届かない月が続くなら、売上・粗利率・固定費のどれかを見直す必要があります。

お金の目安=現預金の残高

利益が出ていても、売掛金の回収待ちや借入金の返済で、お金は減ることがあります。固定費の何か月分の現預金があるかを確認しておくと安心です。

「売上」だけを見ていると、粗利率の低下や固定費の増加に気づくのが遅れます。4つの数字はセットで見ましょう。

04YEAR ON YEAR前年同月と比べる

季節による波がある業種では、前の月ではなく「前年の同じ月」と比べるのが基本です。

項目比べ方のポイント差が出るよくある理由
売上伸びた・減った理由を説明できるか取引先の増減、単価の変更、季節要因
粗利率前年より下がっていないか仕入値・外注費の上昇、値引きの増加
固定費前年より増えていないか人の採用、家賃の改定、サブスクの追加
現預金増えたか減ったか売掛金の回収の遅れ、借入・返済、設備の購入

※クラウド会計では、前年同月比や月ごとの推移表をかんたんに出せます。

差が大きい項目から見る

すべての数字を追う必要はありません。前年と大きく違う項目だけ、理由を確認します。

推移表で流れを見る

月ごとに並べた推移表なら、どの月から変わり始めたかがひと目でわかります。

05FORECAST決算前の着地見込みと節税

決算の2〜3か月前に、「このままだと利益はいくらになるか」を予測します。

STEP 1ここまでの実績を確定する

直近の月までの試算表を、できるだけ正確に締めます。

STEP 2残りの月を予測する

前年の同じ時期や今の受注状況から、決算までの売上と経費を見込みます。

STEP 3対策を考える

利益と納税額の見込みをもとに、節税策や資金の準備を検討します。

決算前に検討できること(例)
  • 必要な設備・備品の購入時期を検討する
  • 経営セーフティ共済(掛金は損金)の活用
  • 未払いの経費や不要な在庫の確認
気をつけたいこと
  • 役員報酬は、期の途中で自由に変えられない
  • 節税のための不要な出費は、お金が減るだけ
  • 利益を減らしすぎると、融資で不利になることも

節税の手が打てるのは、決算日まで。着地見込みが早くわかるほど、選べる対策が増えます。沖税理士事務所では、決算前に着地見込みをもとにオンライン面談でご提案しています。

この記事のまとめ
  • 試算表は、毎月の「途中経過の決算書」。記帳が終わってはじめて作れる
  • 毎月見るのは「売上・粗利・固定費・現預金」の4つ
  • 季節の波がある業種は、前年同月と比べて差の大きい項目から理由を確認する
  • 決算の2〜3か月前に着地見込みを出し、節税と資金の準備を考える

Q&AFAQよくあるご質問

Q試算表は、自分で作れますか?
A

クラウド会計で日々の記帳ができていれば、試算表は自動で作られます。ただし、記帳の漏れや科目の誤りがあると、数字がずれるため注意が必要です。

Q試算表と決算書の数字が大きく違うのはなぜですか?
A

決算のときには、減価償却費や在庫の計上、未払いの経費などの「決算整理」をおこなうためです。毎月の試算表でも、おおよその減価償却費を入れておくと、ずれが小さくなります。

Q銀行から試算表を求められたら、どうすればいいですか?
A

融資の審査では、決算書に加えて直近の試算表を求められることがよくあります。毎月締めておけば、すぐに出せて、説明もしやすくなります。

CONTACT数字のことは、まるごとご相談ください。

沖税理士事務所では、記帳代行から決算・申告、節税のご提案、税務調査の立ち会いまで、クラウド会計とオンラインで一貫してサポートしています。専用LINEなら、土日祝も24時間以内にお返事します。

※本記事は2026年10月時点の一般的な内容です。個別のご判断は、お気軽にご相談ください。

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