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コラム2026年10月6日

給与計算のしくみ|総支給額から手取りまでを1つずつ図解

「総支給額と手取りは、なぜこんなに違うの?」「給与から何が引かれているの?」――はじめて従業員を雇う会社の方から、よくいただく質問です。この記事では、総支給額から手取りまでの計算を1つずつ分解し、社会保険料・雇用保険料・所得税・住民税のしくみと、毎月の給与計算の流れをご紹介します。

  • 総支給額の内訳と、そこから引かれる4つのもの
  • 社会保険料・雇用保険料・所得税・住民税の決まり方
  • 残業代の割増率と、毎月の給与計算の流れ

01OVERVIEW総支給額から手取りまで

手取りは「総支給額」から「社会保険料」「雇用保険料」「所得税」「住民税」を引いた金額です。

STEP 1総支給額基本給+手当+残業代
STEP 2社会保険料健康保険・厚生年金など
STEP 3雇用保険料総支給額に料率をかける
STEP 4所得税月額表で求める
STEP 5住民税市区町村の通知どおり
結果手取り額振り込まれる金額

総支給額の内訳

基本給

毎月決まって支払う給与の土台です。

各種手当

役職手当・家族手当・住宅手当など、会社ごとに決めた手当です。

残業代など

時間外・深夜・休日に働いた分の割増賃金です。

通勤手当

一定額までは所得税がかかりません。ただし社会保険料の計算には含めます。

通勤手当は「所得税はかからないのに、社会保険料の計算には入る」という点で、間違えやすいところです。

02SOCIAL INSURANCE社会保険料のしくみ

健康保険・厚生年金の保険料は、毎月の給与そのものではなく「標準報酬月額」をもとに計算します。

標準報酬月額

給与を一定の幅ごとに区切った「等級」にあてはめた金額です。これに保険料率をかけます。

定時決定

毎年4〜6月の給与の平均をもとに、9月分から1年間の標準報酬月額を決めます。

随時改定

昇給などで固定的な給与が変わり、大きな差が3か月続いたときに見直します。

40歳から介護保険

40歳から64歳までの方は、健康保険料に介護保険料が上乗せされます。

※保険料は会社と従業員で折半します。保険料率は加入している健康保険や都道府県、年度によって異なります。

4〜6月に残業が多いと、その後1年間の保険料が高くなることがあります。

03EMPLOYMENT INSURANCE雇用保険料と所得税

雇用保険料は総支給額に料率をかけて、所得税は「月額表」を使って求めます。

雇用保険料
  • 毎月の総支給額(通勤手当を含む)に料率をかける
  • 料率は毎年度見直され、業種によっても異なる
  • 2026年度の一般の事業は、本人負担 5/1000(会社負担 8.5/1000)
所得税(源泉徴収)
  • 社会保険料などを引いた後の金額で計算
  • 「扶養控除等申告書」の提出の有無と扶養の人数で、甲欄・乙欄を判定
  • 国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」にあてはめる

「扶養控除等申告書」を出していない人は乙欄となり、天引きされる所得税が高くなります。入社時に必ず提出してもらいましょう。

04RESIDENT TAX住民税の特別徴収

住民税は会社が計算するのではなく、市区町村から届く通知の金額を毎月天引きします。

1月給与支払報告書を提出1月31日までに各市区町村へ
5月決定通知書が届く従業員ごとの年税額と月割額
6月天引き額を改定6月から翌年5月まで12回
翌月10日会社がまとめて納付納期の特例なら年2回

※住民税の納期の特例は、12月10日と6月10日の年2回です(給与支払人員が常時10人未満で、市区町村の承認が必要)。

住民税の天引き額は毎年6月に変わります。給与ソフトの設定を忘れずに更新しましょう。

05OVERTIME残業代の割増率

時間外・深夜・休日に働いた分は、通常の賃金に割増率をかけて支払います。

働いた時間割増率
時間外労働(1日8時間・週40時間を超えた分)25%以上
深夜労働(午後10時〜午前5時)25%以上
休日労働(法定休日)35%以上
月60時間を超える時間外労働50%以上

※時間外労働が深夜におよんだ場合は、割増率を合わせて50%以上になります。

06MONTHLY FLOW毎月の給与計算の流れ

毎月の給与計算は、勤怠の締めから納付まで、ほぼ同じ流れのくり返しです。

締め日勤怠を集計労働時間・残業・欠勤を確認
計算給与を計算総支給額から控除額を引く
支給日給与を支払う振込と給与明細の交付
翌月10日税金を納付源泉所得税・住民税
翌月末社会保険料を納付会社負担分とあわせて口座振替

※源泉所得税は、給与支払人員が常時10人未満なら、納期の特例で7月10日と1月20日の年2回にまとめられます。

社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士の業務です。当事務所では社会保険労務士と連携し、給与計算から年末調整・税務まで一貫してサポートしています。

この記事のまとめ
  • 手取りは、総支給額から社会保険料・雇用保険料・所得税・住民税を引いた金額
  • 社会保険料は標準報酬月額で決まり、定時決定(9月)や随時改定で見直される
  • 所得税は扶養控除等申告書と月額表、住民税は市区町村の通知で決まる(6月改定)
  • 残業代は時間外25%以上・深夜25%以上・休日35%以上・月60時間超50%以上

Q&AFAQよくあるご質問

Q通勤手当は社会保険料の計算に入りますか?
A

はい。所得税は一定額まで非課税ですが、社会保険料・雇用保険料の計算には含めます。

Q入社したばかりの人の住民税はどうなりますか?
A

前の会社で特別徴収していた場合は、手続きをすれば引き続き天引きできます。それ以外は、翌年6月から特別徴収を始めるのが一般的です。

Q給与計算ソフトを使えば、自動で正しく計算されますか?
A

計算自体は自動ですが、料率の更新や従業員の情報(扶養・年齢など)の登録は人がおこないます。設定の確認が大切です。

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※本記事は2026年10月時点の一般的な内容です。個別のご判断は、お気軽にご相談ください。

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