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コラム2026年10月6日

減価償却と固定資産のきほん|40万円未満の特例もあわせて解説

「パソコンを買ったけど、全額経費にできる?」「車の購入費が、なぜ何年にも分かれるの?」――事業で使うものを買ったときに、よくいただくご質問です。長く使うものは、買った年にまとめて経費にするのではなく、使う年数に分けて経費にする「減価償却」というルールがあります。この記事では、金額ごとの扱いや計算方法、償却資産税の申告までをやさしく整理します。

  • 減価償却のしくみと、金額ごとの扱いの違い
  • 定額法と定率法、耐用年数の考え方
  • 中古資産の耐用年数と、償却資産税の申告

01DEPRECIATION減価償却とは

長く使う資産は、買った年に全額を経費にせず、使える年数(耐用年数)に分けて経費にします。

対象になる資産

建物・車両・機械・パソコン・家具など、1年以上使い、時間とともに価値が減っていくもの。

年数で分けて経費に

国が決めた「耐用年数」にわたって、毎年少しずつ経費(減価償却費)にしていきます。

対象にならないもの

土地や骨とう品など、時間がたっても価値が減らないものは、減価償却しません。

1年目資産を購入代金は一度に支払う
1年目一部を経費に使い始めた月から月割り
2年目〜毎年経費に耐用年数にわたって計上
最終年償却が終わる帳簿に1円を残す

お金は買ったときに出ていきますが、経費になるのは何年かに分かれます。「利益は出ているのに、お金が残らない」と感じる原因の一つです。

02BY AMOUNT金額ごとの扱い

取得価額(1つあたりの金額)によって、経費にする方法を選べます。

取得価額扱いポイント
10万円未満買った年に全額経費使用可能期間が1年未満のものも同じ
10万円以上20万円未満一括償却資産として3年で均等に経費月割りせず、毎年3分の1ずつ
40万円未満(中小企業者等)少額減価償却資産の特例で全額経費年合計300万円まで・青色申告が条件
上記以外通常の減価償却耐用年数で毎年経費に

※少額減価償却資産の特例は、令和8年度の改正で「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられ(2026年4月1日以後の取得分から)、2029年3月31日まで延長されました。

1組・1セットで判定

応接セットのように、通常1組で使うものは、1つずつではなく1組の金額で判定します。

消費税の扱い

税込経理なら税込金額、税抜経理なら税抜金額で判定します。

償却資産税に注意

40万円未満の特例を使った資産は、償却資産税の申告対象になります。10万円未満の一括経費や、一括償却資産は対象外です。

10万円以上20万円未満の資産は、「一括償却資産」と「40万円未満の特例」のどちらが有利か、その年の利益や償却資産税もふまえて選びましょう。

03METHODS定額法と定率法

減価償却の計算方法には、毎年同じ額を経費にする「定額法」と、はじめに多く経費にする「定率法」があります。

定額法
  • 毎年同じ金額を経費にする
  • 個人事業主は原則こちら
  • 建物・建物附属設備・構築物は、法人も定額法
定率法
  • はじめの年ほど経費が多く、だんだん減る
  • 法人は原則こちら(届出がない場合)
  • 個人も届出をすれば選べる

例:耐用年数4年のパソコンを40万円で、期首(1年目のはじめ)から使った場合の1年目の経費です。

償却率1年目の減価償却費
定額法0.25040万円 × 0.250 = 10万円
定率法0.50040万円 × 0.500 = 20万円

※年の途中で使い始めた場合は、使い始めた月からの月割りで計算します。たとえば10月から使った場合(12月決算)は、1年分の3/12になります。

定率法は、早い時期に経費を多く計上できます。ただし、耐用年数全体で経費にできる総額は、どちらの方法でも同じです。

04USEFUL LIFE耐用年数の例

耐用年数は、資産の種類や構造・用途ごとに、法律(省令)で決められています。

資産の種類法定耐用年数
パソコン(サーバー用を除く)4年
普通自動車6年
軽自動車4年
木造の建物(事務所用)24年
鉄筋コンクリート造の建物(事務所用)50年

※同じ資産でも、構造や用途(住宅用・店舗用など)によって耐用年数が変わります。実際の判定は、国税庁の耐用年数表で確認するか、ご相談ください。

05USED ASSETS中古資産の耐用年数

中古で買った資産は、新品より短い耐用年数を使えます(簡便法)。

中古資産の状態耐用年数の計算(簡便法)
法定耐用年数をすべて過ぎている法定耐用年数 × 20%
法定耐用年数の一部が過ぎている(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%

※計算結果の1年未満の端数は切り捨て、2年に満たない場合は2年とします。

1
例:4年落ちの普通自動車

法定耐用年数6年のうち4年が経過。(6−4)+4×20%=2.8年 → 端数を切り捨てて2年。

2
例:7年落ちの普通自動車

法定耐用年数6年をすべて経過。6×20%=1.2年 → 2年に満たないので2年。

中古資産は耐用年数が短くなるため、1年あたりの経費が大きくなります。購入前に、経費になるペースを試算しておくと安心です。

06PROPERTY TAX償却資産税の申告(1月31日)

事業用の機械・器具備品などを持っている場合、毎年1月31日までに償却資産の申告が必要です。

1月1日時点の資産

毎年1月1日に持っている事業用の資産について、所在する市町村(東京23区は都税事務所)に申告します。

期限は1月31日

法人も個人事業主も対象です。対象資産がない場合も、申告書の提出を求められることがあります。

免税点は150万円

課税標準額の合計が150万円未満なら、税金はかかりません。ただし申告は必要です。

資産償却資産税の対象
10万円未満で全額経費にしたもの対象外
一括償却資産(20万円未満・3年均等)対象外
40万円未満の特例で全額経費にしたもの対象
通常の減価償却をしている資産対象
自動車税・軽自動車税がかかる車両対象外

当事務所では、クラウド会計の固定資産台帳をもとに、償却資産の申告まであわせてサポートしています。

この記事のまとめ
  • 長く使う資産は、耐用年数に分けて少しずつ経費にする(減価償却)
  • 10万円未満は全額経費、20万円未満は3年均等、40万円未満は特例で全額経費にできる場合がある
  • 定額法と定率法で、経費になるタイミングが変わる(総額は同じ)
  • 事業用の資産は、毎年1月31日までに償却資産の申告が必要

Q&AFAQよくあるご質問

Q25万円のパソコンを買いました。全額今年の経費にできますか?
A

中小企業者等で青色申告をしている場合は、40万円未満の特例を使えば全額経費にできます(年合計300万円まで)。特例の適用期限・要件は改正されることがあるため、購入時にご確認ください。

Q減価償却をしない年があってもいいですか?
A

個人事業主は、減価償却費を計上するかどうかを選べません(強制償却)。法人は、償却限度額の範囲内で計上額を決められますが、計上しなかった分は翌期以降に繰り越されます。

Q償却資産の申告を忘れていました。どうすればいいですか?
A

気づいた時点で、資産のある市町村(東京23区は都税事務所)にご相談のうえ、申告してください。過去の年度分もさかのぼって課税されることがあります。

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※本記事は2026年10月時点の一般的な内容です。個別のご判断は、お気軽にご相談ください。

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